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マンガの紹介と感想、スーパー戦隊のヒロインキャプチャーと各話感想を綴るポンコツブログ
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クーの世界 小田ひで次
クーの世界

秋田書店 全1巻 個人的評価 ★★★★★
父親代わりでもあった年の離れた大切な兄を亡くし、
自分でもよく分からない不安を抱えたまま中学生を迎えようとしている少女、林 麗寧。
入学式を控えた前日、突然つづき夢の世界に迷い込んでしまう。
そこは不思議な人々や生き物が暮らす"クーの世界"。
クーの世界で迷子の麗寧は、死んだ兄とそっくりのクーと幼馴染の亮太に似たキョムと共に、
自分の家を探して旅に出る。

―――――――――――――――――――
眠る度に続けて観る不思議な世界、クーの世界を通して女の子の成長を描いた本作。
まずクーの世界が面白いですね。
不思議な風習で暮らす人々や見た事のない生き物が存在するファンタジーな世界。
諸星大二郎先生の「遠い国から」シリーズや短編作品をポップにした様な世界観とでもいいましょうか。
そこは一見牧歌的でありながら、起こる出来事はシビア。まさに麗寧の心象が反映されたような世界です。
このクーの世界と現実の世界を交差させながら一人の少女の成長が描かれます。

現実の世界の麗寧は様々な不安や悩みを抱えています。
中でも重要でこのクーの世界へ麗寧が迷い込む切っ掛けとして、兄の存在があります。
麗寧にとって兄は大切な人だった訳ですが、物語が進むにつれ単なる兄妹愛といった単純なお話ではなくなります。
倒錯的な感情が描かれるのですが、しかしドロドロとした展開になるわけではなく、
これは現実の麗寧の恋模様を絡めて、思春期の恋と性の芽生えの通過儀礼として機能しているのではないでしょうか。
その他にも、友達との関係や母の再婚問題といった悩みが麗寧を悩ませます。

そんな麗寧にクーの世界は現実逃避の場として現れるのではなく、現実とリンクし麗寧に苦難を与えます。
現実世界の出来事だけでは解決しきれない不安や悩みを、異世界のクー世界の試練を経て乗り越えていく麗寧。
小田先生があとがきで書かれている様に、乗り越えられない辛いことがあった時、それを乗り越えるために
人はクーの世界を造り出すのでしょう。

ぬくもりの伝わる優しい作品です。

画像は講談社から全2巻で発売されていたものを、1冊にして復刻したものです。





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