しかしそこで待っていたのは、因習にとらわれた閉鎖的な人間と陰惨な事件だった。
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閉鎖的な田舎で因習にとらわれ暮らす住民によって、
都会からやって来た主人公が殺人事件に巻き込まれるという金田一耕助的な作品。
70年代~80年代の邦画をイメージし、主人公にちょっとした特殊能力と言う中二的要素を加えた
チープなB級テイストの実録風漫画の雰囲気を狙って作られています。
民俗学、エロ、変態、麻薬、田舎、因習、こういったワードにピンと来る方は読んでみても良いと思います。
田舎の描写には少し変化が加えられていて、開発事業の失敗で残った異物として、
廃マンションや観覧車というアクセントがあります。
この作品1巻と2巻ではテイストが変わります。
1巻は金田一的で不穏な空気をはらんだミステリーな展開ですが、
2巻はガラッとスプラッターホラー(変態味)に変わります。
まさにタイトル通りの惨殺描写のオンパレードです。
この手の作風のお約束を踏襲しながら、新味も出そうとした武富先生の意欲が感じられます。
それで正直な感想ですが、中々の面白さを持った作品ではあるのですが、徒労感に見舞われる作品でした。
色んな要素が詰め込まれているのですが、それが生かされているとは言い難いですし、
登場するゲス達の末路が釈然とせずモヤモヤが残ります。報いは受けていますがどうも納得がいきません。
大味の内容に武富先生の時に大げさすぎる絵と相まって、
ゲテモノ料理を詰め込まれてお腹いっぱいにさせられたような気持ちです。
とはいえこれは私の個人的な感想ですので、
この手の作品が好きな人はしっかり楽しめる水準を持った娯楽作品であることは間違いないでしょう。
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