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マンガの紹介と感想、スーパー戦隊のヒロインキャプチャーと各話感想を綴るポンコツブログ
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裸のふたり カイトモアキ
裸のふたり

河出書房新社 九龍COMICS 全1巻 個人的評価 ★★★★★
中学教師の遠山景子はある日、
学校の校庭一面にハートで囲まれた自分の名前"景子”が掘られているのを目撃する。
そんな驚く彼女に近づき、自分がやった事を告白する生徒、倉井。
何故こんな事が出来たのか?彼を突き動かすものとは?
異形で歪な愛と成長物語。

―――――――――――――――――――
まず設定が特殊です。
主人公の一人、中学2年生の倉井は、
感情が高まると我を忘れ興奮状態となり、筋肉が膨張し異常なまでの力を発揮してしまう特異体質を持っています。
この変化の描写の仕方が凄いです。筋肉が隆起して、血管が全身に浮き上がり、目をひん剥いて荒れ狂う様は強烈です。
故に彼は感情を押し殺して生きてきたのですが、ある切っ掛けで感情の暴走が始まります。
それが担任教師、遠山景子との出会いです。そう倉井は彼女を好きになってしまったのです。
この事で倉井は恐れるのです、この感情を抑えられない、彼女を傷つけてしまうと。

この倉井と遠山の二人が巻き起こす暴風の顛末が、この「裸のふたり」です。
そうこれはタイトルが示す通り、二人の物語です。

特異な倉井が主人公のように思われますが、彼を切っ掛けに遠山にもスポットが当たっていきます。
この遠山景子という女性はこれまでの人生において、目立つことは避け、面白そうな事もせず、トラブルに巻き込まれないように
面倒ごとには関わらないように、傷つかないように、そんな消極的な生き方をしてきた人間でした。
そんな彼女にとって突如現れた倉井という存在は恐怖の対象になります。
倉井によってあらゆるトラブルに見舞われ、同僚や生徒そして世間の自分を見る目が、扱いが乱されていく。
事なかれ主義の彼女にとってはまさに地獄です。

そして重要な役割をする教頭。
悩む遠山を助ける人物として登場するのですが、単純な優しさを持ったキャラクターではないのです。
教頭を自分を救ってくれる人と思い依存していく遠山。
この教頭との関係が遠山の内面の未熟さ幼稚さを露呈させ、彼女の暴走の切っ掛けになります。
この暴走を自身が嫌っていた倉井と然も同じであると、校長に看破され深く沈む遠山。
教頭の遠山に対する言動はとても辛辣です。言っていることは正論ですが、嗜めるといった程度ではありません。
暴走する二人より、冷静さと冷徹さがある分作中で一番恐ろしいかもしれません。

カイ先生の絵は決して巧くはないのですが、却ってそれがこの未熟で不器用な二人の物語を
表現するのにピッタリとハマっています。
戸惑う事さえも吹き飛ばす過剰なまでの画と演出は、有無も云わせない強引な説得力があります。

遠山への想いが抑えられず彼女に危害を加えてしまう倉井、それから必死で逃れようとする遠山。
ぶつかり合う肉体。下手なバトル漫画よりも猛烈です。
自分をコントロール出来ず愛する人を傷つけバケモノと罵られる倉井、トラブルを避け生きてきた人生が狂い荒れる遠山。
二人が辿り着く先には・・・

未熟な己から逃げ続けて来た二人が変化し成長しいく様を、奇抜な設定下で描いた剛腕な怪作「裸のふたり」。
一歩間違えばギャグ漫画になりかねない設定と描写が連続する綱渡りを、
怒涛の勢いで駆け抜け渾身の作品に仕上げた、カイトモアキ先生に拍手!


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